水面を飾る優雅な睡蓮は、その魅力で多くの人を引き付けます。
実は、睡蓮は育てやすい水生植物で、自宅でも簡単に栽培することができます。
特に初心者にも手軽なのが、睡蓮を分割して増やす方法です。
これにより、徐々に庭に睡蓮の花を増やしていくことができます。
今回は、睡蓮を分割するのに最適な時期と、成功させるコツをご紹介します。
睡蓮の増やし方
睡蓮には耐寒性のものと熱帯性のものがあり、それぞれ分割するのに適した時期が異なります。
水生植物であるため、分割には少し手間がかかりますが、正しい方法を知っていれば難しくはありません。
分割する最適な時期
睡蓮は成長が早く、根が詰まりやすいため、1~3年に一度の植え替えや分割がおすすめです。
この際、根の整理も行います。
分割は新芽が出ていないと失敗することがあるので、新芽の有無を確認してください。
分割の時期はその年の気温によって異なることもあるので、時期だけでなく植物の状態を見て判断しましょう。
耐寒性(温帯)睡蓮の分割時期
耐寒性の睡蓮、または温帯性の睡蓮は、寒さに強い特徴があり、日本の冬にも適応しやすいです。
このタイプの睡蓮は、3月から4月が分割に最適な時期です。
新芽が出てから分割しないと、その年の花を見ることができない可能性があります。
熱帯性睡蓮の場合
熱帯性の睡蓮は寒さに敏感で、気温が10度以下になると枯れてしまうことがあります。
日本の冬を乗り越えるためには、屋内に移動させて水温を15度以上に保つことが必要です。
熱帯性睡蓮は、特に5月から7月にかけて分割して増やすのがおすすめです。
寒さに敏感な熱帯性睡蓮を分割する際は、水温を15度以上に保つことが大切です。
熱帯性睡蓮の分割のポイント
株の大きさに応じて、いくつかの新しい株に分けることができます。
分割するときは、新芽の様子や株のサイズを確認しながら、慎重に作業を進めましょう。
分割の手順
睡蓮が植えられている鉢から、株を丁寧に取り出します。
粘土質の土を使っているため、取り出すのが少し大変ですが、株を傷つけないように注意してください。
株から土を優しく払い、根元の土も丁寧に取り除きます。
次に、根をカットします。
根を全て切り取ることで新しい根の根張りを促進しますが、根茎を傷つけないようにすることが重要です。
その後、株を分割します。清潔なナイフで、各株に1~2つの芽が付くようにして分割しましょう。
熱帯性の場合は、手で子株を切り離すこともできますが、その際は力を入れ過ぎないように注意してください。
芽がない株を作ってしまった場合は、そのシーズンに花が咲かない可能性があるので、分割時は慎重に行いましょう。
植え付けと管理 分割した株は、新芽が土の上に出るように植えます。
植え付け時には必ず元肥を入れ、睡蓮鉢に植えた後は、花が咲くのを待ちます。
分割後は睡蓮も疲れているため、大きくなりやすい時期に入る前に十分な肥料を与えることが大切です。
元肥だけで不足する場合は、追肥を行ってください。
最初は水が濁ることがありますが、数日で澄んでくるので心配は不要です。
分割した年の花付きが悪いこともありますが、株が落ち着き大きくなるまで、気長に待ちましょう。
睡蓮の株分けのコツと注意点
睡蓮の株分けは比較的簡単ですが、美しい花を咲かせるためにはいくつかのポイントを抑えることが大切です。
美しい花を育てるコツ
株分け後の株は乾燥しないように注意しましょう。
分割した株は植え付けるまで湿った布で包み、乾燥を防いでください。
分割後は早めに植え付けを行うことも大切です。
株が乾燥すると根が傷み、睡蓮が大きくなるのに悪影響を与える恐れがあります。
根をカットする際のポイント 根をカットする際は、腐ったり柔らかくなった部分も切り取りましょう。
腐った部分が残ると今後に影響を及ぼすことがあります。
根茎は約10センチ残せば、十分な大きさが見込めます。
肥料の適切な使い方 元肥を忘れずに施しましょう。
万が一忘れた場合は、株から離れた場所に穴を開けて後から加えることができます。
追肥も必要に応じて行いますが、肥料の量には注意しましょう。
多すぎると花付きが悪くなることがあるので、様子を見ながら少しずつ追加するのが良いでしょう。
株分けや植え替え時の根の処理 株分けや植え替え時には、古い根は新しい根の根張りを妨げることがあるため、適切に切り取ることが大事です。
古い根を残すと腐敗のリスクがありますので、しっかりと取り除きましょう。
これにより、根全体に栄養が行き渡り、新しい根の根張りを促進できます。
以上のポイントを守ることで、睡蓮の株分けは成功しやすくなり、美しい花を栽培することができます。
株分けは睡蓮の豊かな花を咲かせるための効果的な方法です。
これらのコツと注意点をぜひ参考にして、睡蓮の株分けに挑戦してみてください。
睡蓮の育て方補足
ビオトープ作りと鉢からの取り出し方
睡蓮は、自然に調和するビオトープ作りに最適な植物です。
メダカや金魚などを一緒に飼育することも多いですが、植え替えや株分けをした後は、水質が落ち着く2~3日後に魚を戻すと良いでしょう。
この間、水は濁りますが、濁りが収まった後に魚を戻すのが安全です。
その間、魚を一時的に他の容器に移すことをお勧めします。
また、睡蓮を鉢から取り出す際には、粘土質の土を使用しているため少し手間がかかることがあります。
取り出しを容易にする方法として、鉢の端にヘラなどを使って隙間を作り、空気を入れると株がスムーズに取り出せることがあります。
まとめ
以上の方法を参考にすれば、睡蓮の栽培は比較的簡単に行えます。
株分けから1ヶ月後には花が咲き始め、開花期にはたくさんの美しい花を楽しむことができます。
睡蓮の株分けを通じて、色鮮やかな花々を楽しむ体験をぜひ試してみてください。