ハイビスカスはその鮮やかな色彩と熱帯的な魅力で多くの人々を惹きつけています。
赤い花を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実はハイビスカスにはさまざまな色や品種が存在します。
この記事では、ハイビスカスの多様な品種について掘り下げていきます。
ハイビスカスについて
ハイビスカスの概要 ハイビスカスには250種以上の原種が存在し、それぞれ草丈や特徴が異なります。
20世紀初頭にハワイで始まった品種改良により、現在では1万種類以上の園芸品種が生み出されています。
ここでは、主な4つの原種を紹介します。
ブッソウゲ
ブッソウゲは大きな5弁の花と、長い雄しべと雌しべが合着したずい柱が特徴です。
花の色は赤から白、桃色、黄色など多彩です。
早く大きくなる品種で、耐風性や防潮力に優れ、沖縄では生け垣としても用いられています。
葉は幅広い卵形で、先端が尖り、縁はギザギザしています。
朝に開花し、夜にはしぼむ一日花です。
フウリンブッソウゲ
フウリンブッソウゲはブッソウゲの一種で、「コーラル・ハイビスカス」とも呼ばれ、珊瑚のような色と形が特徴です。
花弁には切り込みがあり後ろに反り返り、垂れ下がる様子が風鈴を連想させます。
花色は基部が濃い赤で、中間から先端にかけて白とピンクの絞り模様があります。
数日間花を咲かせ続けますが、現在ではあまり見かけなくなっています。
ヒビスクス・アーノッティアヌス
ヒビスクス・アーノッティアヌスは、細長い白い花弁と中心に位置する赤く長い花柱が特徴的な品種です。
葉は卵形で、花色は白基調に時折ほんのりピンク色が差します。
この花には微かな香りがあり、ハワイのオアフ島が原産地です。
ヒビスクス・コキオ
コキオとはハワイ語で「ハイビスカスの原種」を意味し、この品種は反り返った細く糸状の花糸が大きな特徴です。
赤、ピンク、黄、オレンジなどの暖色系の色彩を持ち、花の大きさは比較的小ぶりですが、育種に頻繁に用いられます。
近年では絶滅の危機に直面しているとされています。
ハイビスカスの園芸種の種類と特徴
ハイビスカスには様々な園芸種が存在し、大きく3つの系統に分類されます。これらの系統ごとに花の性質は異なります。
オールド系
ハイビスカス オールド系ハイビスカスは古典的な系統で、在来系とも称されます。
この系統は小ぶりな花が多く、花付きが良いのが特徴です。
暑さや寒さに強く、園芸に適しています。
葉は深い切れ込みが特徴的で、枝は細く伸びやすいです。
コーラル系
ハイビスカス コーラル系ハイビスカスは野生種のフウリンブッソウゲから改良された品種グループです。
この系統は小さな花が下向きに咲く特徴があり、暑さに強いものの寒さには弱いです。
花弁の縁には切れ込みがあり、フリル状に咲く種が多いです。主に赤色系の花色が多く見られます。
ハワイアン系
ハイビスカス ハワイアン系はハイビスカスの中で最も多い系統で、大きな花と豊かな色彩が特徴です。
花弁は広く、重なり合って正面から見ると円形に見えます。
葉には丸みがありますが、性質はやや弱く、暑さや寒さにはそれほど強くありません。
通常は接ぎ木で増やされます。