夏から秋にかけて、マリーゴールドは花壇や鉢植えを彩ります。
日本では万寿菊(マンジュギク)や孔雀草(クジャクソウ)としても親しまれている、このキク科の花は初心者にも育てやすいことで知られています。
この記事では、マリーゴールドの開花時期や、地域によって異なる開花の特徴について詳しく説明します。
マリーゴールドについて
マリーゴールドには、多様な花色や形状、大きさがあり、それぞれ異なる系統に分けられています。
アフリカン・マリーゴールド
この品種はメキシコ原産のエレクタ種から改良されたものです。
日本で最初に紹介されたマリーゴールドで、大きな花が特徴です。
日本では千寿菊(センジュギク)とも呼ばれています。
背丈は50cm~2mと高く、花壇向けの栽培が適しています。
高い花を背後に、低い花と混植することで立体感のある庭を作ることができます。
フレンチ・マリーゴールド
メキシコ原産のパツラ種から作られた品種群で、アフリカン・マリーゴールドより背丈が低く、花も小さめです。
日本では孔雀草(クジャクソウ)として知られています。背丈は15cm~40cm程で、コンテナ植えに適しています。
花壇の前面に植えると、花のじゅうたんのような美しい景観が広がります。
アフリカンとフレンチ両方の品種を万寿菊(マンジュギク)と呼ぶこともあります。
メキシカン・マリーゴールド
この品種はマリーゴールドの中で小型に分類され、背丈が約15cm、花径が約2cmとなっています。
小さな鉢植えでも育てやすく、一重咲きが主で、夏の高温には若干の弱さを見せます。
アフロフレンチ・マリーゴールド アフリカン・マリーゴールドとフレンチ・マリーゴールドの交配によって生まれた品種で、低い背丈に大きな花を持つことが特徴です。
このため、一層鮮やかな外観を楽しむことができます。
マリーゴールドの開花時期
日光を好むマリーゴールドは、花期が長い年草です。
暖かい地方では春と秋の2回種まきが可能で、計画的に栽培すれば、半年以上花を楽しむことができます。
春に蒔いた種は5~6日で発芽し、その成長過程も見どころの一つです。
開花時期は以下の通りです。
- 春まき(3月上旬~5月下旬):6月~10月に開花
- 秋まき(6月下旬):9月中旬~11月上旬に開花
地域別マリーゴールドの見頃
日光を好むマリーゴールドは、温暖な地域では年に2回の種まきが可能で、花期も長くなります。
寒冷地(北海道・東北地方)
この地域では以下のスケジュールが一般的です。
- 種まき時期:5月
- 開花時期:8月~9月
- 見ごろ:8月下旬~9月上旬
マリーゴールドは寒さに弱く、気温が下がる秋口や霜が降りる季節に近づくと花期が終わります。
特に盛夏が最も美しい見頃とされています。
中越地方の寒冷地
この地域の年間平均気温は9℃~12℃で、マリーゴールドの種まきに適した時期は春のみです。
- 種まき時期:4月中旬~5月中旬
- 開花時期:7月中旬~10月中旬
- 見ごろ:8月中旬~9月中旬
ここでは、気温が大きく下がる朝晩までがマリーゴールドの花が楽しめる期間です。
特にお盆前後から9月中旬にかけてが最も美しい時期になります。
関東から中国地方の温暖な地域
ここでは年間平均気温が12℃~15℃で、春と夏に種をまくことができます。
- 春の種まき時期:4月
- 夏の遅まき時期:7月
- 春まきの開花時期:7月~11月中旬
- 夏の遅まき開花時期:10月~11月中旬
- 春まきの見ごろ:8月中旬~10月中旬
- 夏の遅まき見ごろ:10月中旬~11月上旬
この地域では年に2回種をまくことが可能で、花期が長いことが特徴です。
マリーゴールド栽培に最適なエリアといえます。
九州地方の暖かい地域
九州地方では年間平均気温が15℃~18℃となっており、春と秋に種まきが適しています。
- 春の種まき時期:4月中旬~5月中旬
- 春まきの開花時期:6月~8月中旬、9月中旬~12月中旬
- 秋の遅まき時期:10月中旬
- 春まきの見ごろ:7月、10月中旬~11月中旬
この地域では、夏の暑さで一時的に花が休むことがありますが、初秋から再び花が咲き始め、12月まで楽しむことができます。
マリーゴールドの栽培方法
マリーゴールドは1年草で、毎年新しい種から育てる必要があります。
種は大きくて発芽しやすいので、ガーデニング初心者や子供にもおすすめです。
- 種まき用の土(赤玉土とバーミキュライトを5:5で混ぜる)
- 種まき用のセルトレーまたは水抜きの良い浅いケース
栽培方法は以下の通りです。
- 種を一晩水に浸す(浮いた種は発芽しないため取り除く)
- セルトレーに土を入れ、水を含ませておく
- 種を重ならないように蒔く
- 種の上に約5mmの土をかける
- 発芽するまで日陰で管理し、土の乾燥に注意する
- 発芽後は土が乾いてから水やりをする
- 本葉が2~3枚になったら小さい鉢やポットに植え替える
- 本葉が7~8枚になったら鉢や庭に定植する
マリーゴールドは寒さに弱いため、庭植えの場合は霜の心配がなくなるまで、鉢植えの場合はソメイヨシノが咲く頃までは軒下などで管理することが望ましいです。
鉢植えやプランターに用意する際は、まず鉢底ネットと鉢底石を敷き、その上に土を入れます。
庭植えの場合は、約15cmの穴を掘って準備します。
苗をポットから取り出す際は、根を傷めないように注意しながらやさしく取り出し、根が絡まっている場合は軽くほぐします。
その後、用意した鉢や庭の穴に苗を植え付け、土を足しながら空気を抜いて固定し、水をたっぷり与えます。
水やりについては、庭植えの場合は頻繁にする必要はありませんが、過湿を避けて乾燥気味に保つことが大切です。
しおれた様子が見られたら、朝早くや夕方の涼しい時間帯にたっぷりと水をやります。鉢植えやプランターは特に夏場の水切れに注意し、土が乾いたらしっかりと水を与えます。
マリーゴールドの虫除け効果
マリーゴールドには虫を遠ざける効果があり、その根周りの菌や花の香りが虫を寄せ付けません。
一部の品種はハーブとしても使用できますが、香りが強いので匂いに敏感な人がいる場合は、植える場所を考慮することが重要です。