シュウメイギクは秋に咲く、美しいピンクや白の花を持つ植物です。
漢字では「秋明菊」と表記され、その風情から「秋牡丹」とも呼ばれています。
多くの花茎を伸ばして続々と花を咲かせるため、一株でも数多くの花を楽しむことができます。
見た目は繊細ながら、暑さや寒さに強いため、初心者でもとても扱いやすいです。
8月中旬以降に開花が始まり、秋に植えても十分に大きくなります。
この記事では、シュウメイギクの基本的な育て方とお手入れのコツを紹介します。
ショウメイギクの詳細情報
シュウメイギクは、一重咲きや八重咲きの品種がありますが、一般的には丸い花びらの品種が多く見られます。
コスモスやアネモネに似た外観を持つこの花は、実はアネモネ属に属し、キク科ではありません。
花びらに見える部分は「がく」で、花弁は持ちません。
原産地は中国で、日本でも昔から親しまれ、京都の貴船地方では「貴船菊」として知られています。
耐寒性・耐暑性に優れていますが、乾燥には弱いため、少し湿り気のある環境が好ましいです。
ショウメイギクの育て方
入手の仕方
シュウメイギクの苗は、秋の開花期によく市場に出回ります。
園芸店やホームセンターで手に入れることができ、9月から10月にかけて開花株が見られます。
9月以降に購入した苗でも、10月中の植え付けで問題なく育ちます。
花の形や色は品種によって異なり、一重咲きの白花や八重咲きの赤花(ピンク)などがあります。
土について
シュウメイギクの栽培に適した土壌は、水持ちが良く栄養豊富なものです。
弱酸性の土壌を好み、アルカリ性の土壌では生育が鈍るため、アルカリ性に傾く場所やコンクリートの近くでは避けましょう。
元肥を含む草花用培養土が適していますが、赤玉土小粒、鹿沼土、腐葉土を4:3:3の割合で混ぜた土も良いでしょう。
地植えする場合は、植え付けの1週間前に堆肥と腐葉土をすき込んでおくと良いです。
植え付けについて
シュウメイギクは、春(3月~5月)または秋(9月~10月)に植え付けるのが理想的です。
地植えの場合、3~5年間は移植せずにそのままでも良いのですが、株が大きくなるため、30cm以上の間隔を空けて植えるのが良いでしょう。
植える際は、根鉢の2倍の大きさの穴を掘って植えます。鉢植えの場合は、根詰まりしないよう6号鉢に一株を植えると良いでしょう。
植え替えは春(3月~4月)に行い、地植えの場合は3年後以降の状況を見て植え替えると良いですね。
鉢植えは毎年株分けするか、より大きな鉢に植え替えることをお勧めします。
植え替える際は、根鉢を3分の1程度崩してから植えます。
置き場所について
シュウメイギクは、日なたや半日陰で育てるのが理想的ですが、強い日差しは避けてください。
日陰では花つきが悪くなることがありますが、直射日光の強い場所では葉焼けをしてしまう可能性があります。
シュウメイギクの基本的なケア方法
水やり
シュウメイギクは適度な湿度を好むため、土が完全に乾かないように注意しましょう。
夏季は特に乾燥しやすく、不足すると花や葉に悪影響が出ることがあります。
地植えでは、雨が降らない日には水やりが必要です。
鉢植えの場合は、一年中、土が乾く前に水を与えます。
暑い日は、早朝か夕方に土の乾燥具合をチェックし、必要に応じて水を与えてください。
肥料
植え付け時の肥料と、春秋の定期的な追肥は大事です。
植える際には、緩効性の化成肥料を混ぜ込みます。
成長期間中(3月~5月)は月に1度の緩効性肥料か、10日ごとの液体肥料を施します。
夏は肥料を減らし、10月~11月には再び同様の肥料を与えます。
剪定と切り戻し
シュウメイギクの剪定は、植物の形を整える時と、花後に行います。
茎が密集している場合は根元から間引き、花後は種を取らない場合、茎を根元から10cm残して切り取ります。
6月から7月には、過剰に成長した葉を剪定し、春に伸びるランナーが不要なら除去します。
夏の管理
高温と乾燥に注意して、夏期を乗り越えます。
水の蒸発が早いと植物が弱る可能性があるため、マルチングや場所の変更で対応します。
地植えでは、日除けを設置し、鉢植えの場合は、根が詰まっていないか確認し、必要ならより大きな鉢に植え替えます。
冬の管理
シュウメイギクは寒さに強く、最低-20℃まで耐えることができます。
寒くなると地上部が枯れるため、その部分を地面近くで刈り取ります。
霜害を防ぐためにマルチングを施します。
冬季の水やりは、地植えでは雨が十分で、鉢植えは土が白くなったら軽く水を与えます。
増やし方
株分けや根伏せで簡単に増やすことができます。
最適な時期は3月から5月、9月から10月です。株分けでは、掘り起こした株の根を清潔なハサミや手で分け、新しい土に植え付けます。
ランナーから発生した新しい子株も移植可能です。
根伏せでは、5cm程度の根を土に横にして寝かせ、軽く土をかけます。
種からの増殖
種からも増やすことができますが、元の植物と異なる花が咲くことがあります。
12月から1月にかけて綿毛状の種が形成されるので、それを採取し、飛ばされないように注意しながら種蒔きをします。
種を蒔いた後は、乾燥しないように注意しながら発芽を待ちます。
まとめ
シュウメイギクは多きくなりやすく、初心者でも扱いやすい植物です。
最近では、菊に似た特徴的な細長い花びらを持つ珍しい品種も見られます。
あなたの好みに合わせてシュウメイギクを咲かせてみて下さいね。